4.境界標識復元

土地を相続したら、境界標識がなくなっているところがありました。

相談内容

父から実家の土地を相続することになり、その手続きのために登記所から登記簿謄本と地積測量図を入手しました。入手した地積測量図には、土地の4隅に境界標識の記載があったので、記載されている通りの標識が現地にあるかどうか確認しました。その結果、境界標識がない箇所がありました。隣接地との関係もあるのでお隣さんの立会いの上、新たに標識を埋設してほしい。

対応

相談を受けて地積測量図をもとに掘削などして現地調査を実施したところ、境界標識が亡失している箇所確認しました。ちなみに亡失している場合は、現在の状況の記録としてその状態を写真に収めます。地積測量図をもとに正確を期すため、自分でも現地測量を行いました。測量結果と入手した図面を比較検討し、誤差を示した図面を作成して境界標識の位置を計算で特定しました。計算した結果による境界点の位置を現地にて木杭もしくはペンキで明示し、その個所について隣接地所有者も立会のうえ確認をとりました。その後境界標識の埋設作業を実施し、埋設後の境界標識間の距離を確認して標識埋設の記録として写真を撮影しました。

補足

境界標識復元作業について、標識埋設作業前に境界の位置について隣接地所有者との立会・確認は必要です。境界標識が亡失しても測量作業で復元できますが、地積測量図が備え付けられていない場合は今後の境界争いへ発展しないよう境界立会・確認作業を終えた後に、境界確認書を取り交わすことが必要となります。また、境界標識が亡失した個所が公道と接するところであった場合は広範囲で道路の境界調査をし、依頼者をはじめ向こう三軒両隣の方と立会をする必要があります。

なお、境界標識が亡失しても、経年により付近の土や落ち葉で埋まっていることがあり掘削作業をした結果、境界標識が発見する場合もあります。なので、境界標識がないと気づいたときは一度、土地家屋調査士へご相談ください。

松浦土地家屋調査士事務所 所長 松浦竜之介(まつうら たつのすけ)
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